BLOGスタッフブログ
2022/05/11
断熱等級4が最高?!
仙台の工務店 東建設 のブログです。
先日竣工のお施主様から家が快適ですというお話を頂きました。
室内の気温も一日を通してある程度一定で、暖かいということでした。
連休などは肌寒いときもありましたが(自分の部屋がそうです(笑))、すでに暖房機器はしまわれたそうです。
ところで、今年の4月から断熱等級5が新設されました。
今までは等級4が最高だったんですが、この等級実は1999年 約20年前の等級なんです。
弊社も昔は等級4をクリアして暖かい家をと思い勉強していましたが、いつの間にか世の中のスピードと法整備のスピードが合わない状況が続いてきました。
等級4以上がありませんので最高等級という書き方をするところもあったようですが、そもそも20年前のクリア目標で形骸化していたのが実情です。
それとは別に民間の実務ではそれを上回るheat20 G1やG2と言うような物差しもでき断熱性能などの仕様は大きく変わっていきました。
(性能値 G1<G2<G3 数字が大きいほうが性能がいいです。)
今回できた等級5はゼッチ基準同等ですが、heat20G1 のほうが目標値でいけば上回ります。
弊社で言えば heaat20G1 とG2 の間くらいの性能値ですので、ゼッチ基準よりも良いことが分かっていただけるかと思います。
(先日竣工の住宅はUa0.36ですのでほぼG2くらいの性能です。)
また、今後 等級6,等級7 が整備されるようですが、等級6≒G2 等級7≒G3 となる予定だそうです。
このことから、現状では等級5≒最高等級 と言うような宣伝なども出てくるかと思いますが決して最高ではないということをご注意いただければと思います。
弊社でも幾度となくシミュレーションを重ねておりますが、今のところ等級6≒G2あたりが費用対効果としては一番いいのかなと思っております。
G2からG3にするには数百万ほど増額になる予定ですが、G2からG3に変更したときのランニングコストの差でペイできる期間は120年?!です。
よく聞くのは平成何年基準の家と比較するとランニングコストでペイできるというのもありますが、そもそも比較する家の性能値(Ua等)が分からず、比較になっていない。
性能の悪い家と比較するとランニングコストの差が大きくなり、確実にペイできるのは当たり前です。
大事なのはG2とG3の比較です。
例えば先日竣工の家はUa0.36 太陽光無し、ダクトレス熱交換器あり、エアコンなし
暖房+冷房 の設計1次エネルギーは 21,881Mj
これをUa0.23にすると
暖房+冷房 の設計1次エネルギーは 18,529Mj
差 3,352Mj/年
電気換算 931.856kwh × 27円 = 25,160円/年
ガス換算 801,148kcl / 24023.350kcl/m3 = 33.3m3
33.3m3 × 600円 = 19,980円/年
例えば35年で考えると
25,160円/年 × 35年 880,600円
でペイはできませんね。
その他全館空調などを使用すると、1回は交換が必要になり100万単位でコストがかかる可能性があります。
逆に、35年でペイするとなると年間の差額がいくらくらいにならないといけいないのか。
G2からG3にするのに例えば300万かかったとします。
3,000,000円 / 35年 =85,700円/年
85,700円 / 12ヶ月 = 7,100円/月
と言うことで1ヶ月-7,100円 の効果を出す断熱仕様が必要と言うことです。
G3をはるかに超える必要があります!
こういうことを踏まえるとG3にするということではなく、無理のない範囲でG2前後を目安にする、そして高額な電気設備を最低限にするということが大事だと思います。
先程の全館空調などは高額になりがちです。
しかし、新築の時は相対金額に埋もれて把握しずらくなるんです。
そして、数十年後故障したときに交換費用で高額な費用が発生します。
(機械は必ず寿命があり壊れます。)
止めることはできません、新鮮な空気が入ってこなくなりますので。
太陽光もそうです。
初期費用若しくはそれ以上の交換費用が掛かるということを把握したうえで採用すべきです。
ライフサイクルコストが下がっても将来の交換費用が掛かる。
雨漏りのリスク、発火のリスクなどなど 考慮すべき点はいろいろあります。
と言うことで、弊社ではG2前後で、実際の費用対効果やそれ以外の日々の住まい方を快適に過ごせるような提案を心がけています。
これからも暖かく木が香る無垢の木の家を提供していきます。
仙台で注文住宅、リフォーム、木の家なら 東建設 までご相談ください。