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2021/01/26
シックハウス、化学物質過敏症の方の新築、リフォーム、などのご相談にも対応しております
今から約18年くらい前ですが、その当時シックハウスという言葉をよく聞くようになりました。
建材に含まれる化学物質によって室内空間が汚染されいろいろな症状が出始め、世間でも議論になった時代でした。
弊社で新築した住宅では基本無垢材を使っていたので幸いそういう症状の方はおられませんでした。
(まだ、建材の表示フォースター基準ができる前の時期です。)
ちょうどその時、職場の改装でご主人がシックハウスの症状を発症したお施主様とご縁になり、シックハウス対策の仕様で新築を建てさていただきました。
弊社では構造材、床材、造作材も無垢が基本でしたので、その他の仕様変更としては壁には漆喰、畳は紙表、階段の手すりにはモミの木(匂いが非常に少ない)などの少しの変更で対応できたのを覚えています。
お引越しをする前に、大学の研究室から室内空間の化学物質の濃度を調べたいとお話があり、調査をしたところ非常に良い結果であるとの報告を受けました。
ご主人様の健康状態も良くなっていき、自分たちがこれまで取り組んできた家づくりは間違ってはいなかったんだなと改めて実感した次第です。
それから数年後、当時はまだ化学物質過敏症という名前がまだ出始めのころ、あるお施主様と出会います。
この方はあるHMで新築し、引っ越しの後化学物質過敏症を発症されました。
重度の化学物質過敏症であったため、HM、それから他の工務店でも対応ができず、いろいろ探した後に弊社に相談がありました。
(他の工務店から東建設なら対応できるのではないかと言われたそうです。)
打ち合わをして思ったのは今までのシックハウス対策とは違うということでした。
シックハウスは匂いがきつい化学物質をあまり使わず天然素材を使用することで対応ができるのですが、化学物質過敏症の方は天然素材でも反応するものが存在するということが分かったのです。
その方によって様々ですが、木材で言えば針葉樹よりも比較的広葉樹のほうが反応が少ないということもわかりました。
漆喰では、昔ながらの角又入りの漆喰に反応をするとということで、村樫石灰工業様にご相談したところちょうど新しい漆喰を研究していたところで、その漆喰には反応が出ないことが分かりその漆喰を提供していただいたりと、一つ一つ確認をしながら進めていきました。
完成した後症状はだいぶ良くなられたようでした。
その後、弊社では化学物質過敏症の方のリフォームなどを数件手掛けさせていただいておりますが、この経験から化学物質過敏症の方は天然素材だから大丈夫ということではないんだと常に考えながら取り組んでいます。
人それぞれ、症状や反応が違いますので、どの素材が大丈夫で何がダメなのかを一つ一つ確認しながら進めていくことが大事なことだと思います。
また、化学物質過敏症にならないような家づくりも大切かと思います。
シックハウスと化学物質過敏症では定義が違いますが、シックハウスから化学物質過敏症に移行することも十分考えられることを踏まえれば、化学物質が少なくシックハウスになりにくい家づくりを進めていくことが非常に大事だと考えております。
ちなみに弊社で天然乾燥させている材料は化学物質過敏症の方でも比較的反応が出にくいようです。
これは、一旦雨ざらしにした後天然乾燥をしているのが理由にあります。
詳しくはまた次回にしたいと思います。
*写真は当時建てたお家ではありません。